推理小説

独断と偏見にもとづいて、思いつくままに。

ヒラリー・ウォー『事件当夜は雨』創元推理文庫、2000年
純粋な推理小説ではないけど、二転三転を繰り返す展開がけっこう好き。たしか、『樽』かなんかもこういう感じだったような。ヒラリー・ウォーは、一作ごとにけっこう作風が違うけど、実験的だったのかな。

エラリー・クイーン『エジプト十字架の謎』創元推理文庫、2009年
クイーンの本では、このトリックが一番感心したかな。オレが読んだのはハヤカワ版だった気がするが。

ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』ハヤカワミステリ文庫、1976年
もうトリックは2本分くらいしか憶えていないけど…

マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー『刑事マルティン・ベック 笑う警官』角川文庫、2013年
純粋主義者(?)の推理小説ファンは、警察小説は邪道だと考えるようだけど、オレはけっこう好き。そのなかでも、これは、どんどん事実が判明していくところのスピード感が抜群にいいと思う。途中が素晴らしいだけに、最後がショボいのがじつに残念。

ウィリアム・デアンドリア『ホッグ連続殺人』ハヤカワミステリ文庫、2005年
作者が無名だからか、記述が軽い感じだからか、世の中ではとくに評価されていない気がするが、このトリックはかなり独創的で画期的では。

アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』創元推理文庫、2009年
正直最後のひとひねりは余計だと思うけど(元の中編バージョンはそれがないとか)、それを差し引いてもすばらしい。

アントニイ・バークリー『試行錯誤』創元推理文庫、1994年
これはこれでけっこう好き。ずっと品切なんだな。ブックオフに売らなきゃよかった…

ビル・バリンジャー『歯と爪』創元推理文庫、2010年
文体が思わせぶりだからなのか、変な売り方をされていたせいなのか、この本も、中身はあまり評価されていない気がする。このトリックは、シンプルですごくエレガントだと思うんだけどな。