連続合評会ー知のバトルロイヤルのご案内

連続合評会ー知のバトルロイヤルのご案内

合評対象となる著者と著書:
高村夏輝『ラッセルの哲学[1903-1918]センスデータ論の破壊と再生』(勁草書房、2013年)
金杉武司『解釈主義の心の哲学 合理性の観点から』(勁草書房、2014年)
鈴木貴之『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう 意識のハードプロブレムに挑む』(勁草書房、2015年)
染谷昌義『知覚経験の生態学 哲学へのエコロジカル・アプローチ』(勁草書房、2017年)

「・・・穏やかな制限の下でメレオロジカルな構成関係を認めることにより、七次元世界像においては、客観的な法則で記述される相関関係に立つセンシビリアたちから、二種類の対象が構成されることになる。一つは、センシビリアが法則を充足することによって論理的に構成されるセンシビリアの系列である。それは論理的虚構であり、実在する事実の裏づけを持つとはいえ、あくまで「ないもの」の領域での存在にすぎない。しかし、同じ系列を構成するセンシビリアから、同じ法則が表現している実在の関係に基づいて、実在する別の対象が構成される。それは七次元の延長を持つ個物である。」(高村、2013、376)

「解釈主義は、「合理性」や「コミットメント」という概念に基づく超越論的論証によって自己知の特殊性を説明することができる。そして、解釈主義によれば、直接的な自己認識の内実は、主体がある命題的態度を自分のコミットメントのある命題的態度としていったん形成したならば、そこから、命題的態度の概念の所有を(部分的に)具現する技能知に基づいて、端的にその命題的態度の自己帰属判断を表明することができるということにあるのである。」(金杉、2014、173)

「・・・真正な経験であれ、誤った経験であれ、そこに現れているものは事物の経験される性質であり、物理的性質ではない。そして、誤った意識経験が可能なのは、そこに現れるのが物理的性質ではなく、経験される性質だからだ。われわれは、世界のなかにそれ自体として存在するものを経験していないがゆえに、実在しないものを経験できるのだ。」(鈴木、2015、181)

「分析系の心の哲学と現象学とラッセルとプラグマティズムがアマルガムになって議論できた時間は、悲しいですが今はありません。有意義でした。またしたいです・・・」(染谷、2017、407)

およそ18年ぐらい前、一体の怪物が東京大学科学史・科学哲学研究室を徘徊しているという噂が流れた。テツガクという名の怪物だ。旧哲学のあらゆる権力は、この怪物を退治するために神聖同盟を結んでいた。プラトンもアリストテレスもデカルトもカントもヘーゲルも、そしてアメリカ急進派パースもサンタヤナもドイツの実存もハイデッガーもヴィトゲンシュタインも・・・。同時期に学んでいた輩たちは怪物との組討ちに、上手か下手か押っつけか肩よせかで迷っていた。怪物は手強かった。刀折れ矢尽き毛を毟られ蹴飛ばされ逆さにされても怪物と取っ組みあい転んでは起き起きては転びの七転八倒で怪物に向かっていった。ただでは負けてなるものか。涙の後には虹が出る。今日の負けは明日の勝利か・・・のたうちまわった者たちの、偶然なるかな4名の兵(つわもの)、近年相次ぎて怪物との乱戦乱闘乱麻の模様を克明に綴った著書を発表。いずれも、院生時代から妖怪を打ち負かすために重ねてきた涙なみだの議論の数々、妖怪の弱点と妖怪亡き後におとずれる至福千年の平和静謐な世界について昼夜徹して考え続けたその痕跡を、その後の成果も含めて一冊の本にまとめたものである。
このたびこの機会に4名が再会し、妖怪をどのように打ち封じたか互いの手札と呪印法印法力願力を披露する連続合評会を開催することとなった。すでにアラフィフの領域に両足を突っ込んだ4名が久しぶりに妖怪退治の議論を戦わせる。血湧き肉踊るこの世紀のバトルロイヤルはどなたもご参加・ご傾聴・ご観覧可能。ご関心をお持ちの方はぜひ足をお運び願えればこれ幸いに候。

日時:2018年3月15日(木)および22日(木)14時から18時
場所:東京大学駒場キャンパス16号館109号室

建物の場所はこちらをご参照ください:

3月15日(木)

14時から16時:高村夏輝『ラッセルの哲学[1903-1918]』(勁草書房、2013年)合評会

司会:鈴木貴之
特定質問者:金杉武司・染谷昌義

16時から18時:金杉武司『解釈主義の心の哲学』(勁草書房、2014年)合評会

司会:染谷昌義
特定質問者:高村夏輝・鈴木貴之

3月22日(木)

14時から16時:鈴木貴之『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう』(勁草書房、2015年)合評会

司会:高村夏輝
特定質問者:金杉武司・染谷昌義

16時から18時:染谷昌義『知覚経験の生態学』(勁草書房、2017年)合評会

司会:金杉武司
特定質問者:高村夏輝・鈴木貴之

*参加申込は不要です。
*各セッションとも、前半は特定質問者との質疑応答、後半は全体での質疑応答を予定しております。
*時間の都合で、著者からのくわしい内容説明は省略いたしますので、各著書をご一読のうえご参加いただければ幸いです。
*勁草書房様のご厚意により、合評会会場で各書籍を定価の2割引きで販売いたします。購入をご希望の方は、事前に鈴木貴之までご連絡ください。事前にご希望をお知らせいただければ、勁草書房刊行の関連書籍も購入可能です。
*本イベントについてのお問い合わせは、鈴木貴之までお願いいたします。